天音光人の文学的日常

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行列研究所『バカ売れ法則大全』(SBクリエイティブ)を読みました。これはヒット商品がなぜヒットしたかを解明しようとしたもので、55の商品について、それがヒットした理由について考察しています。

なぜ私がこれを読んだかというと、ベストセラー小説などでも、なぜそれがベストセラーになったのかわからないものがよくあり、その理由を考える参考になるのではないかと思ったからです。

実際に読んでみると、消費者の(潜在的)需要をしっかりと捉えていたり、自分の強みを把握して他社との差別化を図っていたり、効果的な宣伝活動をしていたりで、だいたいマーケティング理論に当てはまっていて、なるほどと思えることが多いです。しかしその反面、考察が浅くて、もう少し掘り下げてもよかったのではないかと思いました。




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by amanemitsuhito | 2017-10-31 07:22 | 読書記録 | Comments(0)
アンヌ・ベルトゥロの『アーサー王伝説』(「知の再発見」双書)を読みました。アーサー王伝説は円卓騎士の物語や聖杯探求など様々な要素を含んでいて、多数の文学作品に影響を与えていますので、全体的なことを知りたいとずっと思っていました。

この本は「知の再発見」双書の一つで、カラーの図版も多く、けっこう学術的な内容になっていて、読み応えがありました。アーサー王伝説のそもそもの成立から変容の過程を記述してあり、その過程でいろいろなエピソードが加わったり、細かな内容が変わったりしていて、その全体像は捉えにくいのですが、かなり整理できました。

伝説というものは、さまざまな人々の利害関心などによって作られ、書き換えられていくものですね。




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by amanemitsuhito | 2017-10-30 07:12 | 読書記録 | Comments(0)
これまたSFの古典であるカート・ヴォネガット・ジュニアの『タイタンの妖女』(ハヤカワ文庫SF)を読みました。これは爆笑問題の太田光が最も影響を受けた作品として絶賛していることでも知られています。

読んでみて、神とか宇宙とか人類の歴史とか人間の意志とか、かなり哲学的なテーマが扱われている感じがしました。それとの関連で、聖書のパロディーになっている部分も多数あるようです。作品の中では「そうなろうとする万有意志」で動く宇宙船が出てきたり、「徹底的に無関心な神の教会」が設立されたりします。

最終的に主人公は何か運命のようなものに翻弄されたあとで、愛のようなものを見いだします。神や運命のような超越的なものはナンセンスで、そういったナンセンスな世界の中で人間は自分なりの価値あるものを見いだしていくしかないのだろうなと思いました。




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by amanemitsuhito | 2017-10-29 07:19 | 読書記録 | Comments(0)
烏賀陽弘道『「Jポップ」は死んだ』(扶桑社BOOKS新書)を読みました。かつてはJポップはテレビをメディアとしてミリオンセラーを生み出していましたが、いまでは音楽CDの売上高が最盛期の三分の一ぐらいまで落ち込んでいます。

売れてるのはAKBとかの投票権か何かが付いたようなのばかりで、音楽もYouTubeでただで聴く人が多くて、音楽業界もかなり苦しくなってきているのではないかと思われます。しかし、著者は音楽自体が不況なのではなくて、その消費の在り方が変わっているのだと主張します。

その代表例がライブで、コンサートなどのライブに消費する金額は上昇してきているのだそうです。YouTubeなどのネットで無料で聴いてみて、生で聴きたいものはお金を出してライブに行くという形になってきているようです。

CDやテレビが中心だったころに比べると、アマチュアでも新規参入はしやすくなったかわりに、ビジネスとして収益を上げるのは難しくなったのかもしれません。文学の消費についても似たようなことが言えそうな気がします。いろいろと考えさせられます。






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by amanemitsuhito | 2017-10-28 07:53 | 読書記録 | Comments(0)
沼田まほかるの『ユリゴコロ』(双葉文庫)を読みました。最近映画化されたもので、結構評判になっている作品です。

一読した感想は、よくできているけれども、不自然なところも多く、いまひとつ納得できない感じです。オチには意外性があり、なるほどそうきたかと思いました。しかし、ちょっと待てと言いたくもなったのです。

現実にはこれだけのことが警察にばれないことがあるだろうかと思いますし、一種のサイコパスの人物が急に至極まともな人間に変わってしまうのも、あまりに不自然です。

そんなわけで、ミステリとしての構成は意外性があって面白いけれども、設定があまりに不自然で、感動的なはずのラストが嘘くさく感じられてしまいました。




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by amanemitsuhito | 2017-10-27 07:20 | 読書記録 | Comments(0)

当ブログの一番人気記事

このブログも半年以上続けていて、投稿数も二百を超えました。アクセス数は伸びませんが、なんとか続けていきたいと思います。

それで、これまで書いた記事のアクセス数でダントツ一位なのが、なぜかクリストファー・ブッカーに関するものです。これはおそらく邦訳がない書籍だからだろうと思います。私も目次を見ただけで、原書はまだ読んでいませんので、アクセスはしたものの、がっかりされたのではないかと思います。

やはり他の人たちが知りたいけどあまり紹介されていない情報というのが人気がありそうですね。そういったことを今後は考慮に入れたいと思います。




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by amanemitsuhito | 2017-10-26 07:51 | その他 | Comments(0)
吉田修一の『悪人』(朝日文庫)読みました。これは映画化もされていて、人気も高い作品だけあって、すばらしい出来だと思います。とくに人間の描き方が優れています。

主人公の祐一は殺人を犯しますが、自分でも同じ状況だったら、同じように行動したかもしれません。殺された方の佳乃という女もつまらない女ですが、そうなってしまった背景は十分に理解できます。つまり、登場人物に共感できるように書かれているのです。

ただ、やはり全体として暗い話で救いがありません。いい作品であることは間違いないのですが、何度も読み返そうという気にはなりません。




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by amanemitsuhito | 2017-10-25 07:10 | 読書記録 | Comments(0)
私は今のところ、「小説家になろう」への投稿を別にすれば、このブログだけで情報発信をしていて、ツイッターもフェイスブックもインスタグラムもやっていません。もちろんアカウントすら取得していません。

フェイスブックは最近は下火のようですし、写真はほとんど撮らないのでインスタグラムもやるつもりはないのですが、情報発信手段としてツイッターはかなり有効な気がしています。

そんなわけで、ツイッターを始めてみようかとも考えています。そうすると、ブログよりは気楽に書けるんじゃないかと思うのです。でもその一方で、はたしてそんなにつぶやくことがあるだろうかとも思いますし、けっこうめんどくさそうな気もしていて、迷っているところです。




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by amanemitsuhito | 2017-10-24 07:42 | 自己紹介・プライベート | Comments(0)
レイ・ブラッドベリの古典的SF連作短編集『火星年代記』(ハヤカワ文庫)を読みました。人類が火星へ探検に行き、最初は火星人に撃退されますが、やがて火星人は地球人が持ち込んだ伝染病で滅亡します。それから地球人たちは火星に移住するものの、今度は地球で核戦争が起こり、人々は地球に戻っていきます。そして地球は滅亡し、残った人たちは火星へ移っていきます。

こうした大枠の歴史の流れの中で、人々の様々なドラマが展開されますが、それがどれも発想が奇抜で面白いのです。ずいぶん前に書かれたもののようですが、今読んでも非常に新鮮です。何度読んでも飽きないSFの古典的名著だと思います。




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by amanemitsuhito | 2017-10-23 07:48 | 読書記録 | Comments(0)
村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』はもう何回か読みました。世界とは何かとか非常に哲学的なテーマも多く含んでいますが、今回気づいたのは、これは閉ざされた心を開く物語として読めるのではないかということです。

この作品の中では、「世界の終り」の「僕」も「ハードボイルド・ワンダーランド」の「私」も心を閉ざした人物であることが何カ所かで書かれています。図書館の女の子は「あなたはもっと心を開くべきよ」と言ったりもします。

それが最後の方では、「僕」は図書館の女の子だけでなく街のすべての人たちを愛するようになりますし、「私」は自分が不幸になる中で、周りの人たちを祝福しようという気になります。このときに、「僕」も「私」も心を開いたのではないかと思うのです。そうすると、最終的には「僕」は壁を乗り越え、「私」は意識を取り戻すということになるのではないかという気がします。




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by amanemitsuhito | 2017-10-22 07:34 | 読書記録 | Comments(0)

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