天音光人の文学的日常

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山際淳司『スローカーブを、もう一度』読みました

山際淳司の『スローカーブを、もう一度』(角川文庫)を読みました。著者は1995年にわずか46歳で亡くなっていますが、ノンフィクションライターとして有名な人物です。その中でもとくにこの作品集に収められた「江夏の21球」は絶賛されました。

これは1979年のプロ野球日本シリーズ、広島対近鉄の第7戦で、4対3の広島1点リードで迎えた9回裏、抑えのエース江夏豊が登板します、しかし先頭バッターがヒットで出塁すると、さらに味方のエラーなどもあってノーアウト満塁となり、絶体絶命のピンチを迎えます。

ところがここから江夏はすごかったのです。まず一人を空振り三振に打ち取ると、次の打者には投球フォームに入ってからスクイズを見破り、とっさに外すという神業をなします。これで大きなピンチを切り抜けると最後のバッターも空振り三振に打ち取り、広島カープが日本一となるのです。

その間の21球を投げる江夏と相手のバッターの心の動きや葛藤がドラマティックに描き出されていて、非常に読み応えがあり、さすがにスポーツ・ノンフィクションの名作だと思いました。

その他にも高校野球やオリンピック代表選手など、さまざまな人間ドラマが繰り広げられるスポーツエッセイが収録されています。ノンフィクションとはいえ、緊迫感のある小説のような作品集でした。





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by amanemitsuhito | 2018-03-10 07:09 | 読書記録 | Comments(0)

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