天音光人の文学的日常

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井上ひさし『モッキンポット師の後始末』読みました

井上ひさしの『モッキンポット師の後始末』(講談社文庫)を読みました。発表されたのは1972年で、テレビドラマ化もされたようです。舞台となっているのは昭和三十年頃の東京で、井上ひさし自身の自伝的な要素も含まれています。

主人公は作者の分身ともいえる小松、それに土田と日野という三人の貧乏学生で、彼らはカトリック信者ですが、貧乏でだらしない性格のため、悪気はないにもかかわらず、さまざまな騒動を引き起こし、人のよい神父のモッキンポット師がその尻拭いをさせられるという話です。

今読んでみても面白いです。ただ、やはり時代の違いを感じました。今でももちろん貧乏学生は多いですが、当時は同じく貧乏でも、社会の成長期にあり、希望や意欲、生命力や明るさがありました。現代は先行き不透明は閉塞感に満ちています。

同じ貧乏ものの小説でも、現代は現代にあった作品が必要とされるでしょう。




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by amanemitsuhito | 2018-03-02 07:41 | 読書記録 | Comments(0)

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