本棚の整理をしていたら、ずいぶん前に読んだ高野悦子の『二十歳の原点』三部作が出てきました。最近また高野悦子がブームになってきているという話を耳にして、気になって調べてみたら、村上春樹と同い年で、誕生日も非常に近いことに気づきました。高野悦子は1949年1月2日生まれで、村上春樹は1949年1月12日生まれですから、わずか十日しか違いません。
もしかしたら、村上春樹の『ノルウェイの森』や『1973年のピンボール』に出てくる直子は高野悦子がモデルなのではないだろうかと、ふと思いました。もちろんバックグラウンドなどはかなり違いますが、イメージは似ているような気もしますし、少なくとも同じ世代として苦悩を共有していた部分もかなりあったのではないでしょうか。
村上春樹が高野悦子の『二十歳の原点』(1971年初版発行)を読んで、直子のイメージを作ったという可能性はありそうな気がします。かなり大胆な仮説かもしれませんが。