天音光人の文学的日常

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北川恵海『ちょっと今から仕事やめてくる』読みました

最近はベストセラー小説を読んで、なぜそれがベストセラーなのかを考えています。というわけで、今回は北川恵海の『ちょっと今から仕事やめてくる』(メディアワークス文庫)を読みました。面白かったし、よくできていると思いました。ベストセラーなのも納得できます。

まずテーマが時代に合っています。この物語は、ブラック企業に就職した主人公が自殺寸前に友人と名乗る人物に止められるところから始まります。そして、最後には勇気を出して会社を辞め、自分の進むべき道を探し始めます。ブラック企業での過労死や自殺が問題になっている昨今では、まさにぴったりのテーマです。

それから、プロットも非常によく寝られていて、友人と名乗る謎の人物の正体も最後に明らかになりますし、読後感もよいです。ただ、友人の正体は半ばぐらいで大体予想が付いてしまうのが難点ですし、もう少し意外性があってもよかったんじゃないかと思います。また、主人公の先輩には主人公にもっときちんと謝らせるべきだったろうと思います。そのあたり、倫理的に納得できません。

しかし、時代に合ったテーマとうまく作り込まれたプロットが、この作品の持ち味でしょうね。




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by amanemitsuhito | 2017-09-01 07:35 | 読書記録 | Comments(0)

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