天音光人の文学的日常

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村田沙耶香『コンビニ人間』読みました

今頃になってようやく、昨年の芥川賞受賞作である村田沙耶香の『コンビニ人間』を読みました。芥川賞受賞作にしては非常に読みやすく、また面白かったです。

主人公の女性は世間の普通の生き方ができず、現実世界になじめないという人物です。しかし、コンビニ店員としての自分だけは非常にぴったりとして、そこでだけ生きていけると実感します。すると、同じく現実世界に適応できない白羽という男性と知り合うのですが、この男性は主人公と違って、どこにも自分の居場所を見つけることはできません。ただ、主人公の女性にずっと飼ってもらうことしかできないのです。主人公は結局はコンビニ人間としてこの先も生きていくことになりそうですが、白羽の方はどうなるのか、心配ですね。

この小説は主人公の視点で一人称形式で語られていますが、語っている自分(語り手の「私」)と語られている「私」の間にはずれがあります。つまり語り手の「私」は、いわば普通の人間として、普通でない「私」を冷静に観察しています。このあたりも、小説として面白いと思います。




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by amanemitsuhito | 2017-07-27 07:43 | 読書記録 | Comments(0)

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