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天音光人の文学的日常

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太宰治の小説のエピグラフ

太宰治の言葉に「生まれて、すみません」というのがあったような気がして、何という作品だっただろうかと調べてみたら、『二十世紀旗手』という小説の冒頭のエピグラフでした。なお、この言葉自体は他の人が書いたものを引用したらしいのですが。

エピグラフというのは小説などの最初に置かれる詩句のようなもので、作品全体との関連を示すものですが、太宰治はこのようなエピグラフを非常に効果的に使っています。有名なものとしては、小説『葉』には「撰ばれてあることの恍惚と不安と二つわれにあり」というヴェルレエヌの詩の一節が引用されています。

小説の冒頭にエピグラフをおくやりかたは村上春樹もけっこう用いていますね。うまく使えば非常に効果的な小説の手法だと思います。




by amanemitsuhito | 2017-07-11 07:23 | 小説作法

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